こんにちは!nene編集部のmiyukiです。
今週かなり話題になった、女性セレブたちが宇宙に飛んだというニュース。
これには「へぇ、やっぱリッチな人はなんでもできるね」「女性の希望や夢って感じだね」という感想から、「特権階級の、本当に空気が読めない奴らだよな」という批判まで様々。

日本だとメンバーに人気歌手のケイティ・ペリーが含まれていること、彼女が宇宙旅行から帰還して地球(地面)にキスをしたということはご存知の方も多いかと思いますが、実は他にも様々な女性が宇宙旅行に行っています。

さて、今回はそんな賛否両論あふれるセレブの“特権”宇宙旅行について、深掘りしていきましょう。
女性6人の宇宙旅行
まずは今回の概要をおさらい。
今回宇宙へ飛び立ったのは、ご存知歌手のケイティ・ペリーを含む女性5人。
そして搭乗した宇宙船は、Amazon創始者の超ビリオネアであるジェフ・ベゾスが2000年に創設した宇宙開発企業ブルー・オリジンのロケット。
およそ11分間の飛行で、上空100km(62マイル)以上という、無重力空間を楽しんだそう。
ケイティはフライト中、ルイ・アームストロングの名曲『What a Wonderful World』を船内で歌唱したそうで、地球に着陸した後ケイティは地面にキスをして「人生や愛とつながっている」と感動に浸ったようです。

他の5人の女性とは一体?
ジェフ・ベゾスの婚約者ローレン・サンチェス
まず一人目は、今回のブルー・オリジンの創設者でもあるジェフ・ベゾスの婚約者、ローレン・サンチェス。
エミー賞受賞歴もあるアメリカ人ニュースキャスターかつ女優やパイロット、実業家としての顔も持つという知的な女性で、エンタメ界で活躍していたようです。
ピープル誌の『50人の美女』特集や、『USウィークリー』誌の「セクシー女性」特集にも取り上げられたことがあるそうで(Wikipediaより)、離婚歴がある3児のママでもあります。
ローレンは2019年よりジェフと交際を始め、2023年に婚約した際はかなりのニュースになりました。
CBSジャーナリストのゲイル・キング
CBSの人気番組『CBS Mornings』で司会を務めるなど、ニュースジャーナリストとして人気の高いゲイル・キング。彼女のインタビュー技術は高く、特にR&B歌手R. Kellyとのバチバチのインタビューを強気で渡ったのはかなり有名な話。(これがその有名な動画!)
元NASAエンジニア、STEM分野の活動家アイーシャ・ボウ
バハマ系アメリカ人のアイーシャは、美容師の道を進もうとするなど、一般的な、行ってしまえば平凡な人生を送りそうなところで、なんと数学の才能を見出されミシガン大学で航空宇宙工学の学士号と宇宙システム工学の修士号を取得。
その後、NASAエイムズ研究センターで航空交通管理のアルゴリズム開発などに従事し、技術的な貢献が評価され、NASA退職後はSTEM教育の普及と多様性の推進を目的とした企業STEMBoardを設立するなど活動家としても活躍しています。
市民権活動家、宇宙飛行士、そしてノーベル平和賞候補者のアマンダ・グエン
ハーバード大学で学士号を取得し宇宙飛行士を目指して訓練を受けていたアマンダ。
実は最終学年に性的暴行の被害に遭い、その後は性的暴行被害者の権利保護の必要性を訴える活動家としての道を歩み始めます。
志半ばだった、宇宙飛行士の夢を叶えるべく国際宇宙科学研究所(IIAS)で訓練を受け、晴れてブルー・オリジン・ロケットに搭乗できたアマンダ。ベトナム系女性として初めて宇宙へ到達したのだそう!
社会は映画プロデューサーのケリアン・フリン
ファッション業界での人事職を経て、2015年から映画業界に転身したケリアン・フリンは社会は映画を作る映画プロデューサー。
2011年にヴァージン・ギャラクティックの宇宙旅行に申し込みましたが叶わず、今回は念願の宇宙飛行となったそう。映画制作や社会貢献活動を通じて、女性のエンパワーメントや社会的課題の解決に取り組んでおり、宇宙飛行への参加もその一環なのだそうです。
批判の声
今回の宇宙飛行について批判の声をあげているのは、何もネットユーザーだけではありません。
女優・モデルとして自身もセレブであるエミリー・ラタコウスキーは、
「終末的って感じ。もはやパロディを超えてるわ。」
「地球を大切にしてるって言ってるのに、それが“母なる地球”のためだって言ってるのに、地球を一手に破壊してるような企業が作って、資金提供してる宇宙船に乗るなんてどうなの?」
「世界の現状を見て」「あの女性たちを宇宙に送るのにどれだけの資源が使われたのか考えて」
「何のために?あれのマーケティング目的は何だったの?」
最後には「本当にうんざり」と締め括ったTikTokの自撮り動画を公開。
セレブ=環境を愛しがち、けれどプライベートジェットに乗りがち、環境保全をファッションにしがち。そんな一般市民の考えることを冷静に代弁した姿に、賞賛の声も上がっているとか。

環境保全も何でもかんでもお金がかかるから、地球を考えるなんてそれどころじゃないんだよ。日々を生きるのに必死なんす。お金を稼げば消えて行くんです。
ちなみに今回の飛行でメンバーが着用しているブルースーツですが、先述したジェフの婚約者のローレン・サンチェスがデザインしているらしい……
フルメイクでフルデザインしたスーツに乗って……きっとそれぞれのメイクチームもいたんでしょう。薄寒い気がするのも、分かるかも。
ハンバーガー大手チェーン、ウェンディーズのアカウントも応戦。
Can we send her back
— Wendy’s (@Wendys) April 15, 2025
ケイティ・ペリーの帰還報告について、Xにて「送り返せる?」と爆弾発言!日本の大手企業アカウントがこれをやったら、炎上しそうだけども、今回は確かな意図で発言している様子。
「私も女性なんで宇宙に行かせて?」「女性幹部を起用するってこういうことじゃないよ」などと冗談半分で批判をしており、現在5万いいねがついている状態です。

違和感を感じているのが少数派ではないことを表しているわね。
日本の企業アカウントの中の人が、親しみを狙ってわざと誤爆してみたり、バズクラスタと絡んでネット民に媚びを売る感じが苦手な筆者だけど、ウェンディーズの今回の発言は痺れた。
女性だから、というお門違い
ケイティ・ペリーやローレン・サンチェスは環境保全を謳うセレブなのに、宇宙旅行をしていることへの批判は当たり前にあるけれど、それだけじゃない。
今回のフライトに参加したのは全員女性(しかもセレブや著名人)。それ自体は一見「女性のエンパワメント」のようにも見えるのですが、実際は、宇宙で特別な研究をしたわけでもなく、ただ“セレブのPRっぽい旅”でした。
「本当に女性のため?それとも話題づくり?」そんな批判が上がるのも無理はないでしょう。
さらにお金も環境負荷も膨大なのは間違いなく、地球の環境が悪化していること、ストローを紙にするだのなんだのって騒いでる中で、なんだか違和感を感じている人も少なくないはず。
世界情勢は悪化し、イスラエル・パレスチナ問題で多くの子どもが亡くなり、関税の問題で沢山の影響を受ける人間が増え、一方では今日の飢えをしのぐ食べ物もなく、安全な住まいもない人間がいる中で、一方では金色のトイレで用を足す人間がいるのも事実。
果たして今回の宇宙旅行になんの意味があったのか?ジェフ・ベゾスの私情ならば、結局富裕層のお遊びに世界が付き合わされているという、悲しい世界の縮図を改めて見せられているだけなのかも。

確かに搭乗者のエリートな皆様の立派なキャリアは認めるけど。
人気歌手が宇宙に行って「愛と繋がってる」なんて“目覚めた”発言されると、クエスチョンマーク。
私の苦手な表現に、アメリカの住居案内などでよく言われる「ゼンバイブス」っていうのがあるんです。
ZEN VIBES。(禅の精神的なノリ)
日本に住む私たちですら、禅を理解しているか怪しいけど、彼らはちょっとした石が置いてあって鹿おどしがあって、なぜか中国の置物がある品のない庭を見て「超ゼンバイブスじゃん、イケてる」みたいなことを平気で言うわけですね。

anxiety(不安感)を感じると、「OK、チルろ。抹茶飲んで。ゼンバイブスあげてこ?」みたいな。
それを発言された時に感じる「なんか分かってる感でそれっぽくしてるけど、何も分かってない感」が溢れてて共感性羞恥や呆れみたいなのを感じます。
今回の宇宙旅行、それに近しいもの、アリ。
あなたは今回の出来事をどう思った?
大好きだけどゼンバイブス出てきまくりな番組。